心のとびら

先生から伝えたい言葉

生徒の皆さんの心に留めておいて欲しいことを先生が交代で話をします。

おはようございます。
 みなさんは、昨年4月の東京大学入学式で上野千鶴子教授が述べた祝辞の内容を知っているでしょうか?
性差別問題に触れたあの祝辞は賛否両論を巻き起こしましたが、私には共感できる部分が多くありました。


私は22歳で大学を卒業し今年の3月まで民間企業で働いていました。結婚したのは27歳の時で、その後二人の子どもを出産しました。仕事の都合上、二人とも1歳になる前に職場復帰をしたので、「ママがいい、ママがいい!」と言って泣く子どもたちを無理やり保育園に預けて仕事に行かなければならないとき、「本当にこれでいいのだろうか」と胸が締め付けられる思いでした。職場に復帰してからも、子どもの体調不良や行事ごとなどで以前と同じように働くことができず、つらい思いもたくさん経験しました。


共働きが当たり前になっている時代です。

結婚、出産を経て働き続けるのは、周りの協力が必要不可欠です。
家族や保育園、会社、同僚、たくさんの人に支えられて、私は今こうしてみなさんの前に立つことができています。
 みなさんのご家庭でも、お父さんお母さん両方が働いていますという人は多いのではないでしょうか。
今日、みなさんが持ってきているお弁当を、自分で作ってきましたという生徒は何人ぐらいいますか?

勉強や部活で毎日が精一杯かもしれませんが、それはお父さんやお母さんも同じです。
みなさんがこうして学校に来れていることは、みなさんの努力の成果だけでなく、そうしてくれる環境があることを忘れないでください。周りの環境が、あなたたちを励まし、背中を押し、手を引いてくれているのです。


みなさんがこれから歩んでいく人生は、選択の連続です。高校を卒業したら、就職する人も進学する人もいるでしょう。その先には、結婚や出産を経験する人もいることでしょう。

 たくさんのことで悩み傷つくこともあると思いますが、その時、自分が一番大切にしなければならないことを見失わないでください。そして、他人を思いやることができる心を育んでいってください。
あなたたちのこれからの人生が輝かしいものであることを心から願っています。

 担当は、高校1年副担任、数学科のE.Yでした。