去る8月9日の登校日に合わせ、本年度で3回目となる「長崎県輝く私学支援事業指定長崎教会群巡礼旅行」を実施しました。 2泊3日で外海⇒長崎市内⇒雲仙各所に残された教会群およびその関連施設を本校中・高校生6名の生徒が訪ねました。 ここでは先ず初日の様子をお伝え致します。 外海歴史民俗資料館と、隣接されているド・ロ神父記念館では、 古代から現代に至る外海の暮らしを豊富な展示資料を通じて学びました。 外海は断崖が続き、良好な港の確保が難しいため漁業の発展が望めず、 強烈な潮風に晒される上、平地も少なく農地としても恵まれていなかったという歴史的な背景があります。 そうした地理的な条件もあってか、江戸初期に出された禁教令以降、 絵踏に代表されるような徹底的な信仰調査や弾圧・迫害の度合いは他地域と比べれば緩やかでものでした。 潜伏キリシタンの拠り所でもあった外海にもやがて弾圧の手がのびると、 安住の地を求め五島への移住に踏み切る住人も現れました。 キリスト教信仰を解禁される明治を迎えるまで彼らがどのような信仰生活上の困苦と向き合ってきたのか。 また、外海へ赴任したド・ロ神父様が文字通り生涯を賭け、 信仰復活のみならず、如何に草の根レベル(特に女性の就労・自立支援という観点)からの 殖産興業に尽力奔走されたのかを具に知るきっかけになりました。 開館時刻を若干過ぎてはいたのですが、丘陵に建つ出津教会堂にも足を伸ばすことができ、 巡礼を無事進められるようお祈りを捧げることができました。 最後に訪れたのは、遠藤周作文学館です。 夏季の開館時刻が特別に延長されていたお陰で、外海ならではの眺望も館内から堪能しながら、 遠藤氏の精力的な執筆活動の足跡を辿ることができました。 入館前に生徒たちには代表作『沈黙』のあらすじを紹介しましたが、 顧問としては彼女たちが在学中に遠藤氏の作品の一端にでも触れて (『女の一生』・『沈黙』・『海と毒薬』等は映画化もされています)、再びこの文学館を訪れた際に、 氏と長崎を結びつけた縁や執筆動機、信仰の誕生と発展、挫折と受難、信徒発見に代表される驚愕と歓喜、 継承と深化、それら全てを内包した豊潤で神奥なナガサキを見つめ直すきっかけになればと切に願います。                                                       【文責 宗教部顧問】