心のとびら

先生から伝えたい言葉

生徒の皆さんの心に留めておいて欲しいことを先生が交代で話をします。


昨年末に、あるテレビ番組で日本体育大学の女子学生が、今まで男子学生にだけ許され
ていた競技「集団行動」にチャレンジした様子が放映されたのを見て、これだと思いまし
た。『ただみんなで歩くだけ』、『ただみんなで走るだけ』、『ただみんなで号令通りに動いているだけ』。こんな単純な行動に人は感動し、ため息をつき、涙するのだと改めて知った私は、今年の体育祭で是非中学生にこの演技をさせたいと思いました。
しかし実際は、『ただみんなで歩くだけ』とう単純作業がなかなか思うようにいかず、生徒からは「先生、80人の足音をひとつにするなんて無理なんじゃないですか」という不安の声が上がっていました。そんな不安を解消させるために何度も何度もひたすら歩いたり、ひたすら走ったりしているうちに、本番当日にはなんの指示もなしに生徒は円陣を組んで互いに声をかけ合ったり、その場で足踏みをして心を一つにしたりと、自然とみんながひとつになっていました。
「本番は練習の8割できればいい」なんて誰が決めたのでしょうか。今まで炎天下の中
何度も何度も練習してきましたが、本番が一番最高の演技でした。
この集団行動を通して、様々な感動がありましたが、そのひとつは、先輩は後輩のため
に、後輩は先輩のために一生懸命になっていた、ということです。
練習の時、1年生の歩行がなかなか揃わず、本人たちは焦りや不安を抱えていましたが、2・3年生に迷惑をかけたくない、2・3年生にとって中学校最後の体育祭で絶対に先輩の役に立ちたいという思いで、体育祭の1・2週間前から、昼休みを使って自主的に練習を始めたのです。
1学期当初から何度もDVDを見て動きを研究し、時にはぶつかり合いながらもきっちり
まとまっていった3年生、あなたたちの思いはちゃんと後輩に伝わりましたよ。そして、
1年生のお手本となり3年生を支えた2年生、中堅学年として本当によく頑張りました。
3学年が、それぞれの色にキラキラ輝く演技でした。

もちろん、頑張ったのは集団行動だけではありません。体育祭のためにテントを張った
り、草抜きをしたり、応援練習に明け暮れたり、企画運営をしてくれた生徒・そして先生
方、本当にお疲れ様でした。一時は降水確率100%と言われていた9月9日でしたが、
奇跡的に全競技を無事終えることができたのも、聖和のみんなの熱い思いが通じたからだ
としか思えません。

これからもどんな困難にも負けない強い絆、そしてたくましい聖和魂を後輩たちに引き
継いでいってほしいと願います。

中学3年担任 保健体育科の川本でした。今朝はこれでおわります。