心のとびら

先生から伝えたい言葉

生徒の皆さんの心に留めておいて欲しいことを先生が交代で話をします。


皆さん,おはようございます。
今朝は「ノミの悲劇」というお話をしたいと思います。

皆さんは「ノミ」という生き物をご存知ですか。ノミとは,体長が一ミリにも満たない寄生昆虫で,人や哺乳類などに寄生して時々吸血,つまり血を吸ったりする生き物です。最近ではめったに見られなくなりましたが,私が子供のころはよくこのノミに刺され退治をしたものです。

しかしこのノミはジャンプ力が物凄く,2メートル以上つまり床から天井の高さくらいなら簡単に跳ぶことができるそうです。NBAのマイケルジョーダンのジャンプ力が1メートル22センチということですから,このノミは人間のジャンプ力をはるかに上回ります。オリンピックなら楽々金メダルです。いわばノミに備わった敵から身を守る唯一の防御法なのでしょう。目の前にいたはずのノミが,一瞬のうちに姿を消して人間の視界から消えてしまうことも充分にありえます。

そんなジャンプの金メダリストのノミですが,高さ30センチくらいのふたのついた箱の中に入れられてしまうと,箱から出ようと何度も何度もジャンプを繰り返し,ふたに衝突します。箱から逃げようと必死になって得意のジャンプを繰り返すわけですね。ジャンプしても逃れられないことがわかると,あきらめてしまい,ジャンプさえしなくなります。

しかしここからノミの悲劇が始まります。ノミの入った箱のふたを取っていつでも逃げられるようにしてあげても,かつては2メートルものジャンプ力を誇ったノミは,30センチも跳べなくなってしまい結局一匹も箱から逃げ出すことは出来なくなってしまいました。

なぜ今朝この「ノミの悲劇」というお話をしたかもうお分かりですね。

勉強面・部活動・毎日の学校生活で,ちょうどノミのように壁にぶつかることはたくさんあると思います。本来はもっと出来るはずなのに,こんなはずではないのにと思いながらも,壁にぶつかってしまい,苦手意識を感じ,「もう無理だ」とあきらめてはいませんか。

皆さんに立ちはだかる壁はどれも,ノミを入れた箱のふたに過ぎません。軽いふたもあるでしょうし,なかなか開かないふたもあるでしょう。でも何度もチャレンジしているうちに,ふたは必ず開きます。ですから高い目標を持って毎日の生活に臨んでほしいと思います。ノミの悲劇を繰り返さないためにも。

今朝の話はこれで終わります。
今日も一日がんばっていきましょう。