心のとびら

先生から伝えたい言葉

生徒の皆さんの心に留めておいて欲しいことを先生が交代で話をします。

昨日は、ご存じの通り一般入試が行われました。
係の為、学校に来ていた生徒のみなさん、本当にありがとうございました。
受験した中学生が、私に「本当に先輩が優しくて、緊張がほぐれました。」と
そっと耳打ちし、思わず笑みがこぼれました。

 私は、早朝、いつもみなさんがお世話になっている伊万里線のバスの運転手さん、
 I さんと共に受験生のお迎えに行きました。 I さんの深イイ話や思い出など、
話が尽きないものでした。歳を取れば取っただけ、思い出も多くなるものだと思いました。
その中で、自分が少し歳を重ねたからこそ、思い出されることといえばやはり母の教えです。
23歳を越した今も、昔、母からいわれたいくつかの注意を守っています。厳しいものもあり、
周囲はいつも笑っていましたが、そこには「社会に出て恥をかかないように」という母の愛情が
ありました。その中の1つを紹介したいと思います。

 「些細な約束でも大切にしなさい。」という言葉です。どのような約束事も、お互いの
信頼がなければ成り立ちません。しかし、人は、対象や内容によって約束の重要度を図ります。
 例えば、「この約束は、家族とのだから破っていい。」「自分一人がごみを捨てても構わない
だろう。」「この課題は、来週までにだせばいいや。」、「この人は優しいから、遅刻しても
怒らないだろう」のように、自分の都合のよい解釈をし、破約を正当化しようとする、
みなさんにそんな経験はありませんか。

 約束事の内容や対象によって「守る」「守らない」が決定されることはよくあることです。
しかし、些細な約束を守れない人にどうして重要な約束が果たせるのでしょうか。

 この母の教えは、約束の重要度にかかわりなく、常に謙虚に誠実に信頼を高めていく生活を
送りなさいという意味を持っているような気がします。人間や自然との決め事を自身の中で
しっかりと据え、自分に嘘をつかない生き方をしたいと思いました。
 今朝の話はこれで終わります。