心のとびら

先生から伝えたい言葉

生徒の皆さんの心に留めておいて欲しいことを先生が交代で話をします。

みなさん,おはようございます。
今朝皆さんにお話しするのは,私の大好きな格言「雨垂れ石をうがつ」,
英語ではConstant dripping wears away the stone.についてです。
意味は,雨の雫が一点を何度も集中すれば,あの硬い石でも穴をあけるということです。
みなさんも縁側にある石がくぼんでいるのを見たことがありませんか?
私が子供の時はそのような石を見た時,人間が道具を使って穴をあけたのだろうとぐらいしか考えていませんでした。事実が分かる年頃になったとき,なんて神秘的な自然の現象なんだろう。また,自然の持つ力の驚異に驚きを隠せませんでした。

この格言は,我々に次の3つのことを教えてくれているように思います。


その第一番目は,集中力の大切さです。

一粒の雨がいろんなベクトルとして石に落ちても,石に穴をあけることはできません。同じベクトルに集中することによってはじめて力が発揮されるわけです。回りの人たちの意見に惑わされてしまい,本来の自分自身の向かうべき方向を見失ってしまうことがあります。冷静になって自分自身のすべきことに集中することが大切だということを教えてくれています。

第二番目は,続けることの大切さです。何十年もまた何百年もの歴史を刻んではじめてあの硬い石に穴を開けることが出来たのです。何かを成し遂げるためには,志を高く持ちこれからの人生において,結果だけを求めあせることなく,何度も失敗をすることを恐れない信念を持つことが大切だということです。その積み重ねが本当の経験になるものです。そしてその経験があなたの貴重な財産となります。

第三番目に,崇高なもの,美しいものに素直に感動する心です。雨によってくぼみの出来た石を見て,自然の力に感動することが出来ますか。人間というのは感動することによって心が豊かになります。心が豊かになれば心に余裕がでてきます。心が豊かな人間は,相手を冷静に見ることもできます。心に余裕がないとき,会話の中で次のようなことばを発したりしてはいませんか。「忙しい」「疲れた」「いやだ」「大変だ」「難しい」「できない」「やりたくない」「やってられない」「ダメだ」「不幸だ」「どうせ」「どうでもいいや」など,どれもマイナスイメージばかりですよね。

逆に心に余裕が出来ると,発する言葉も次のようになってきます。「ありがとう」「充実している」「元気です」「やってみよう」「頑張ります」「楽しい」「うれしい」「できる」などは,どれも聞いていて気持ちよくなることばばかりですよね。

小さなことでもこつこつと日々を反省し根気強く続ければ,明日に繋がる経験が宿ります。それが我々の成長の糧なのです。皆さんも,結果をすぐ求めず,過程の充実を心がけて頑張ってください。そうすればきっと,たくましい人間になれると思います。

今朝のお話はこれで終わります。今日も一日頑張っていきましょう。