心のとびら

先生から伝えたい言葉

生徒の皆さんの心に留めておいて欲しいことを先生が交代で話をします。

おはようございます。
突然ですが、みなさんは、家族や親しい友人に「あなたを大切に想っています」と伝えたいとき、どんな言葉をかけますか。英語圏では、家族や友人に対して”I love you ”というのは割合普通のことですが、日本語では、そうそう「愛してる」なんて言葉は、日常で使いませんよね。だからといって日本人が家族や友人を大切に思っていないわけではありません。身近な人を大切に想う気持ちは、たとえ言葉が違っても、同じだからです。
私はこの聖和の卒業生で、在学中はマレーシアへの長期留学も経験させていただきました。マレーシアでは、英語はもちろんですが、国の公用語であるマレー語も少し勉強しました。そのマレー語の中に、「愛」とも「love」とも違う、とても素敵な言葉があるので、みなさんに紹介したいと思います。マレー語で、「love」を表す言葉は二種類あります。ひとつは、「cinta」という単語で、これは、日本語の「愛」や英語の「love」ときいて最初に思い浮かぶ、一般的には異性に対する恋愛の感情を表します。

もうひとつは、「sayang」という言葉です。これは、家族や友人にたいする愛情を表します。親が子どもに話しかけるときや、とても親しい友人の間で、会話の中や呼びかけの言葉としてこの「sayang」は、日常でよく使われます。私は、この言葉を知った時、とても感動し、心の中があたたかくなりました。言葉というものは、それを使う人々が大切にしている気持ちや感情を一番ストレートに表すものです。だから、私はこの言葉をよく使うマレーシア人は、家族や友人とのつながりをとても大切にする民族なのだと感じたのです。それと同時に、日本語に「sayang」に対応する言葉がないことをとても残念に思いました。

先ほど言った通り、日本人は「愛」という言葉をあまり使いません。「好き」という言葉もありますが、家族や友人に直接伝えることはあまりありません。では、日本人はどのようにして親しい人にその思いを伝えるのでしょうか。

私は、「ありがとう」という言葉だと気付きました。日本人は、感謝の言葉を通して、周りの人々にその気持ちを伝えるのです。ありがとう。「sayang」に劣らず、素敵なことばだと思いませんか?今日はぜひ、この言葉を心にとめて、そしてできれば口に出して、親しい人に伝えてみてください。今日はみなさんにこうしてお話をすることができて幸せにおもっています。

みなさん、ありがとうございました。


今朝はこれで終わります。