心のとびら

先生から伝えたい言葉

生徒の皆さんの心に留めておいて欲しいことを先生が交代で話をします。

3年前の今日、私は、テレビで流れてくる映像が実際に起こっているものと認識するのに、かなり時間を費やすことになりました。あまりにも簡単に建物や車、そして人々が流れていく映像を見て、吐き気をもようした事を思い出します。映像を見ても、その恐ろしさが伝わってくることもありますが、実際の地獄のような現状は現場の人にしか分からないでしょう。

愛する家族が目の前で津波に襲われたら?
自分の育った家が、すっかりなくなったら?
住みなれた街に誰もいなくなったら?

いろんな方の手記を読み、想像力を働かせても、本当の事を理解するのはやはり難しいと感じました。

先日、大学の友人から電話がかかってきました。視力が低下し、入院しているとのこと。大変驚いて、回復できるのか?仕事は大丈夫か?など心配する私に向かって、とても前向きな彼女は、「目がねーいつでも見えるって思ったらいかんばい!!」と叱ってきました。
聞いたこともない病にかかっているのにも関わらず、彼女は当たり前の事がいつでも続く訳じゃないと言う事を、神様が教えてくれているのだと、前向きに病気と闘っていました。
当たり前に家族がいて、当たり前に暖かい教室で勉強ができ、当たり前においしい食事ができる…。
“当たり前”のことについて考えることは、きっかけがないと難しいのかもしれません。
2011年3月11日は私たち日本人にとって、当たり前の日常について考える大きなきっかけを与えました。けっして、忘れていくのは‘アタリマエ’にならないようにしていきたいですね。