心のとびら

先生から伝えたい言葉

生徒の皆さんの心に留めておいて欲しいことを先生が交代で話をします。

今からちょうど一か月前のこと。今年3月に大学を卒業して、4月から社会人として働き出した3番目の娘からメールが来ました。
「お父さん、私のこだわりって何だと思う?明日このテーマで3分間スピーチをすることになったんだけど、アドバイスたのみます…」という内容でした。
「10進数の -23を、16進数で表すとどうなる???」というメールがあったり
…娘たちの突然のメールには、いつも驚かされますが、それはさておき…、

皆さんには、どんな “こだわり” がありますか?
「こだわる」を辞書で調べてみると、
① 心が何かにとらわれて,自由に考えることができなくなる。
気にしなくてもいいようなことを気にする。とか
② 普通は軽視されがちなことにまで好みを主張する。
…などと書かれています。例えば、アイスクリームの銘柄にこだわるとか、誰々さんが何気なく言った一言にこだわって、勉強が手につかなくなる、など自分の気持ちが何かに支配されて、自分の行動が制限されてしまう様子のことです。

「試合では勝ちにこだわる」とか「学校から帰る時に机の上に物が一つでものっているのがイヤだから、きちんと片付けて帰る」といったように、場合によってはプラスに作用することもあるでしょうし、「○○さんの語尾上げの話し方にこだわって、肝心の話の内容が頭に入らない。」「階段を上る時には必ず右足から上るようにしている」などといったどうでもいいようなことに作用することもあるでしょう。

自分のこだわりが何かを知るためには、自分がいつも何を気にしているか、あるいは他人のどんな行動が不快に思ったり、時には許せないとまで思ったりしているのか、ふっと考えてみると見えてきます。実はあまり大したことではないことなのに、そのことを気にしすぎるあまり、かえって自分が他人に対して嫌な印象で映ってしまうことだってあります。その人の性格や人柄・人間性までもが見えてしまうことがあるこだわりとは何なのか。本当にこだわらなくてはならないことなのか、直そうと思えば直した方が良い「こだわり」なのか、時には自分自身の行動や言動を振り返ってみてはいかがでしょうか。

私のように半世紀以上も生きてきた人間はなかなか、そのこだわりも直りませんが、今から長いながい年月を生きていく皆さんには是非、周囲の人たちに良い影響を与えるような、あるいは自分自身の生き方をプラスの方向へと進めてくれるような、質の高いこだわりを身につけて欲しいものだと願います。
今朝はこれで終わります。