心のとびら

先生から伝えたい言葉

生徒の皆さんの心に留めておいて欲しいことを先生が交代で話をします。

皆さん,おはようございます。
皆さんの中には英語が大好きでこの聖和に来たという人もたくさんいることでしょう。でも英語はちょっと苦手だという人もいることと思います。みなさんの思いはさまざまだと思いますが,今日は私がどのようにして英語と本気で取り組もうと思ったのか,そして英語の教員になろうと思ったのかを紹介したいと思います。それが皆さんの勉強との関わりに何か役に立ってくれたらと思うからです。

今から45年前の1969年小学6年生だった私にとって衝撃的な出来事がありました。それは,アメリカがおこなったアポロ計画というもので,歴史上初めて人類を月面に到達させた宇宙飛行でした。アポロ11号のアームストロング船長が月面を飛び跳ねるように歩く姿が日本のテレビでも生中継で放映されました。これは大変感動的な場面でしたが,私にとって衝撃的だったのは,月面に降り立った宇宙飛行士とNASAとのやり取りの雑音交じりの英語を同時通訳している人がいるではありませんか。子供ながら憧れの気持ちを抱いて鳥肌が立ったことを今でも覚えています。もしあの時テレビ中継を見ていなかったなら,あの同時通訳を聞いていなかったら,英語を真剣に勉強することは無かったと思います。英語の奥の深さに何度も挫折しそうになりましたが,頑張れたのもきっと憧れの気持ちが大きな力になりました。

もうひとつは,大学1年生のころの出来事です。あるとき大学の掲示板の前で友達と会う約束をしていました。どんなに待っても現れません。もうあきらめて帰ろうとしたとき,大学の掲示板に貼られた一枚の紙が手招きするように私を呼んでいるではありませんか。実は風が吹いてその紙がパタパタと動いていただけでしたが,近寄ってみると塾講師のアルバイトの情報でした。教員になることなど少しも考えてもいなかった自分にとって,時給1500円だけが塾講師を始めたきっかけでした。当時長崎の喫茶店でのアルバイトの時給が350円の時代でした。しかし塾講師の仕事をやり始めてみて,とてもやりがいのあることに思えてきました。将来はこれでいこうと考えました。教えることの面白さを実感した瞬間でした。もしあの待ち合わせの場所に友人が時間通りに来ていたならば,今はまったく違った仕事をしていることは確かです。

2つのエピソードを紹介しましたが,何かを始めるきっかけは決して予定されていたものではありません。きっかけは偶然に,しかも突然にやってきます。きっと皆さんにとってもたくさんのきっかけがあるはずです。もし無いと感じるのなら,それは気がついていないだけだと思います。そのきっかけは,自分でも信じられないくらい大きな力を与えてくれます。どうか皆さんも何事にも積極的に取り組み,きっかけをみつけ,やらされるのではなく自ら進んで取り組む前向きな人生を歩んでください。以上で今朝の話を終わります。
今日も一日頑張っていきましょう。