心のとびら

先生から伝えたい言葉

生徒の皆さんの心に留めておいて欲しいことを先生が交代で話をします。

おはようございます

「桜色の糸は、春先の、限られた時期の桜の木の皮で染めた。」

これは、昨年度、中学校の教科書で知ったことです。
筆者の大岡信さんは、染織家の志村ふくみさんを訪ね、桜色に染まった糸で織った着物を見て、花びらで染めたと思ったそうです。しかし、実際には木の皮で染めたと聞いて、意外なことに驚いた。花びらが桜色なのは、厳しい冬の寒さを守ってくれた木の根、幹、枝から生まれたものだった、という内容でした。
多くの人は、「桜」と聞くと「桜の花」を思い浮かべるでしょう。桜が咲くと、私たちは春が来たと喜び、桜の花を見て楽しみます。でも、その中に、桜の木の根や幹に注目する人は、どれほどいるでしょうか。
私たちは、直接体験したものを信じます。これは大事なことです。しかし、表にあらわれるものばかりにとらわれるのではなく、その内側にあるものを探ることも大事なことです。
私たちの周りには、毎日健康に気遣ってくれる人、言わなくても確実に係の仕事をしてくれる人、辛いときにいつも声をかけてくれる人、行事の度に縁の下の力持ちとして動いてくれる人など、たくさんの人が支えてくれています。
大事なことほど、案外表に出にくいものです。心でその深いところを見る、ということも大切にして欲しいと思います。
最後に、相田みつをさんの言葉を紹介して終わります。

花を支える枝
枝を支える幹
幹を支える根
根はみえねんだなあ