心のとびら

先生から伝えたい言葉

生徒の皆さんの心に留めておいて欲しいことを先生が交代で話をします。

今月はロザリオの月です。昼休みの13時10分から聖堂でロザリオの祈りを唱えています。まだ参加していない人は、せっかくカトリックの学校に来たのだから、卒業するまでにぜひ一度は参加してみてください。

とは言うものの、実際に私が高校生だった時に、私は一度もロザリオの祈りに参加したことはありませんでした。宗教という科目に惹かれて入学したはずの高校で、「仏教徒だし、洗礼を受けるつもりはないし」と思って、自由参加の宗教行事に足を運んだことはありません。当時の気持ちを今更表すのは難しいですが、信仰するつもりはないから無意味だと思っていたのかもしれません。

また、大学時代、キリスト教を専門的に学んでいた私でしたが、日本のキリスト教を学ぶよりも、福音書や西洋のキリスト教ばかり学んでいました。長崎の大浦天主堂や二十六聖人のことより、イタリアのサン・ピエトロ大聖堂やフランスのノートルダム大聖堂などに行きたいと旅行に出かけ、長崎は国内だから、外国に比べればいつだって行ける。そんな風に思って、長崎に行こうと思う気持ちは少しもありませんでした。

今、私はそんな長崎に来て、教壇に立ち、中学二年生に日本のキリスト教史を教えています。しかも、高校時代には一度も参加したことがないロザリオの祈りを、自分が声をかける側になりました。
その時は興味がない、関係ない、無意味だと思っていたことが、自分の将来に関わっていたなんて、当時の自分は知る由もありません。ですが、私はそういったところに、神様がひとりひとりに計画を持っていることを感じずにはいられません。もしかしたら、自分が与えられた環境や出会った人々。それはすべて神様の計画の一部なのかもしれません。

ロザリオの祈りは、今月いっぱいまで行われています。忙しい毎日に少し心の余裕を持ちたい。そう思ったときは、ぜひ聖堂の扉を叩いてください。もしかしたら、それがみなさんの神様が用意している計画の一つかもしれません。