心のとびら

先生から伝えたい言葉

生徒の皆さんの心に留めておいて欲しいことを先生が交代で話をします。

2016/06/16
S.Y.

 

みなさんのクラスにいる人と出会って友達になる確率はどれぐらいだと思いますか?
 まず、みなさんが生まれてくる確率、同じ佐世保にいる確率、そして同じ教室で隣の席に座る確率を考えると宝くじの一等をあてより難しい奇跡を起こさなければ出会うことすらできません。そんな奇跡の確率で出会った友達を、みなさんは大切にしていますか?言葉やほんの少しの誤解で喧嘩することもあると思います。でもそんな時、少しだけ今日の話を思い出してほしいと思います。
 私は音楽鑑賞が趣味で、これまでにたくさんの曲を聞いてきました。
 そのたくさん聞いた曲の中で好きな曲の一つが中島みゆきさんの「糸」という曲です。
 みなさんは、聞いたことがあるでしょうか?聞いたことがない人もいると思いますので、サビの部分の歌詞を紹介します。
 縦の糸はあなた
 横の糸は私
 織りなす布は
 いつか誰かを 暖めうるかもしれない
 …これがサビの歌詞です。
 人を糸に例え、人との出会いによってその後出会う誰かの役に立つかもしれないということが歌われています。 この曲は中島さんが結婚する友人に向けて作った歌です。
 この曲の最後の歌詞に、「しあわせ」という言葉が出てきます。みなさんはしあわせと書く時どのように書いているでしょうか?例えば、漢字で幸福の幸の字に送り仮名でせで「幸せ」と書く人、全部ひらがなで「しあわせ」と書く人がいると思います。 しかし、中島さんの「糸」の曲の中では仕事の仕に合計の合、送り仮名にわせで「仕合わせ」と書かれています。 この「仕合わせ」には、良い意味も悪い意味も含めた巡り合わせという意味があります。
 もともと、しあわせという言葉は「し合わす」が語源であり、何か2つの動作が合うことが「仕合せ」だと言われていました。言い換えるなら、巡り合わせという言葉のほうが意味としては近いそうです。自分が今置かれている状況に、偶然別の状況が重なって生じることがこの「仕合わせ」だと言われています。
 この曲の最後の歌詞は
 縦の糸はあなた
 横の糸は私
 合うべき糸に
 出逢えることを
 人は仕合わせと呼びます
 …となっています。
 自分の今の人との出会いが良いものであっても悪いものであっても運命の巡り合わせであるといった意味が込められています。 今の友だちとの関係においても色々な人との出会いがあると思います。その出会い1つ1つが自分を成長させてくれ、その経験がその後出会う誰かの役に立つことを忘れずに日々の学校生活を送ってほしいと願っています。