心のとびら

先生から伝えたい言葉

生徒の皆さんの心に留めておいて欲しいことを先生が交代で話をします。

 徒歩で登校する生徒のみなさん。校舎横の坂、植込みの花に気づきますか。「ランタナ」という花です。2年前に管理人Yさんに指導してもらい、バレー部の活動で植えた小さな苗が、今では立派に根付き綺麗な花を咲かせています。

 この6月で50代に突入しました。一日一日に向き合い生活をし、気が付けば50歳。年をとることの速さに驚きます。私は40代後半から、草花に目が留まるようになりました。それまでは草花など全く興味もなく、見向きもしなかったので、なぜなのか、自分でも不思議です。

 『非認知能力』という言葉を知っていますか。IQや学力テストなど文字や数字の結果として表れてくる能力を「認知能力」と言います。反対に、IQや学力テストに表れないすべての能力を『非認知的な能力』と言います。自尊心、自制心、自立心、協調性、などです。

 情報を処理するなどの「認知能力」を最も得意分野とするのがAIです。将来、このAIに仕事がとってかわられると言われている現在、人間が持つ力は何か。幸せになるにはどんな力が必要か。こんな視点から注目されるようになってきたのが『非認知能力』です。

 挨拶、返事、思いやり、我慢、集中力、やる気、やり遂げる力。この『非認知能力』があらゆるところで、非常に大切だと注目され始めています。私たちの生活の当たり前!が学術で証明されてきています。

 また、学力テストの結果などの「認知能力」は『非認知能力』のもと積みあげられていきます。逆に「認知能力」が『非認知能力』の力を引き上げることはないと言われています。

 テストの成績や知識量で『頑張る力や思いやり』を育てることできない。『頑張る力や思いやりの心』はテストの成績を上げる力になるということです。

 聖和に来て5年が過ぎましたが、他校と比較して、この『非認知能力』がとても高いのが聖和の生徒の皆さんだと感じます。笑顔のあいさつ、助け合い、共に活動する力。これらの『非認知能力』が学校行事や部活動、日々の学校生活の中で生きています。

 草花で言えば「根っこ」になるのが『非認知能力』。草花も人間も「見えない根っこ」をしっかりと張ることで、自分の花を咲かせることができます。

 みなさんが幸せになるために、とても大切な行動習慣を学校生活の中で学べていることに気づいてください。校門での感謝の一礼。聖和女子学院の生徒らしい身だしなみ。明るい挨拶と笑顔。思いやりがあふれる学校生活。校内に咲く花々に目を向けながら、これからも『非認知能力』を高めていきましょう。